┣No.828 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(2) ワークスK 2017/12/12(火) 22:51
┣No.829 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(3) ワークスK 2017/12/13(水) 17:14
┣No.830 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(4) ワークスK 2017/12/14(木) 18:20
┣No.833 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(5) ワークスK 2017/12/18(月) 01:01
┣No.837 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(6) ワークスK 2017/12/19(火) 19:45
┣No.862 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(7) ワークスK 2018/02/27(火) 23:10
┣No.863 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(8) ワークスK 2018/03/10(土) 18:10
┗No.894 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(9) ワークスK 2018/06/28(木) 12:48
[827] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ Name:ワークスK Date:2017/12/12(火) 01:12
ニフティ−読売新聞によれば、11日午後5時頃、名古屋駅で「のぞみ34号」が前途運休したという。問題はどこから漏れた油かということ。可能性で考えられるのは、主電動機のグリース、歯車継手のグリース、歯車箱のオイル、軸受のオイルの4か所と、アメリカ型鉄道模型大辞典を読んでおられるのだったら想像していただきたい(笑) そう、軸箱は新幹線だけオイル。異臭を感じたというのなら漏れた後に高温に接触したわけで、主電動機かな。ディスク・ブレーキ面ということは無いとは思う。こういう故障の原因って想像のラチ外のことが多いのだけれど……。68382
[828] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(2) Name:ワークスK Date:2017/12/12(火) 22:51
朝日新聞DIGITALによれば、「……台車で油漏れが見つかった。モーターの回転を車輪に伝える「継手(つぎて)」と呼ばれる部品は焦げたように変色していた。……その後の調査で台車に亀裂が見つかった」という。68413
これから推察すると、“継手”はWN歯車継手で、中にグリースが詰まっている。このグリースが漏れたり継手体が変色ということは、主電動機の軸と、駆動装置のピニオン軸との位置関係が大きく狂って許容限度を超えてしまった。その原因は駆動装置を吊っている台車枠から伸びる反力受(自動車ではトルクアーム)が動いた。すなわち反力受の付け根にクラック=亀裂が入ったのではないか。
この部分は、力行と制動とで逆の曲げ応力を受ける。すなわち繰返し応力だから、金属疲労に結びつく。理屈的にはそうなる。こんなところを探傷なんて耳にしたことが無い。この台車は新設計か? 寒波到来の中、検修所では片っ端から打音検査をしているはずだ。
図は新幹線のものでは無い。ネットを探して特許情報にあったものに朱色で書き加えている。ちなみに図のものは、反力受を含めた吊り装置が破損することを想定して“落下止め”のツノを設けている。もしこれがあるのなら、反力受が完全に折れても(ロープで縛るくらいで)脱線しないで車庫まで回送できるはずだけれど、ホームに停めたままということは、亀裂個所は違う場所なのだろうか?
[829] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(3) Name:ワークスK Date:2017/12/13(水) 17:14
朝日新聞DIGITAL(画像を引用)が13日12時21分に伝えるところによれば、「……車両を所有するJR西日本は同じメーカーが同時期(2007年)に製造した台車129台を緊急点検した。いずれも異常は見つからなかった……」
68442
あちゃああああ!
東武東上線と一緒だ! こりゃあ動かせないぞ! WN継手が発熱、油漏れを起こしたなら、この亀裂は相当に大きかったはずだ。間一髪だ。本当に危なかったんだ!
大問題だぞ! 製造から検査体制まで徹底的に見直さなければならない。新幹線の根幹にかかわる大問題だ。
東武は、運輸安全委員会の報告書案が出来上がるまでに1年半を要し、さらに審議中となって1ヶ月が経過した。新幹線事故を受けて書き直しになるかもしれない。
【追記1】どうも、おかしい。中日新聞の挿絵も一緒で、亀裂位置が車軸軸受のキワ。どういう構造の台車か知らないものの、曲げモーメント的に危ない位置ではない。単純な原因ではないぞ。
【追記2】国土交通省運輸安全委員会の寺田和嗣・主管調査官が報道陣の質問に答えたとのこと。新しい情報は無し。実車はまだ名古屋駅のようだ。>>朝日新聞デジタル
【追記3】産経WESTによれば「寺田和嗣主管調査官は「……『なるべく早く調査結果を公表したい』……重大インシデントと認定した理由については『車両の走行に大きく関わる故障である上に、油漏れと亀裂の二つの故障が同時にあったため』……約1時間半にわたって亀裂の大きさを計測するなどした。亀裂が入っていたのは13号車の先頭車両側の台車側面で、大きさは明らかにしていない……」
そう、その亀裂の大きさが問題。記者は鋭い。写真がどうして公表されないのだろう。素直に考えれば、台車枠が割れたので、カルダン継手の食い違い量が許容値を超えて、発熱し油漏れが起こった。それほどの上下変位を与えたのだから、台車枠はパッカリと割れている。現物を見たら卒倒するのではないか。だったら、前代未聞の事例。車軸軸受近傍の亀裂原因は想像が付かない。追及には時間が掛かるぞ。それにしても調査官の物言いがノンキ。どうして? 台車構造を知りたい……。
[830] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(4) Name:ワークスK Date:2017/12/14(木) 18:20
「N700系新幹線 台車の製作」というYouTube動画をヒット。円筒案内でボルスタレス。
あれっ? 台車枠の焼きならしをやらないのか!
68492
【追記】毎日新聞によれば、15日終電後に台車交換、16日以降に車両を完全撤去だという。
上り線2本の内の1本が使えない状況で、1〜10分の遅れだけで済んでいるっていうのは凄い。2017-12-15
[833] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(5) Name:ワークスK Date:2017/12/18(月) 01:01
問題台車の撤去を各社が報道する中で、中日新聞(2017/12/17 朝刊)の写真が鮮明。亀裂個所と思しき個所は特製の金具で繋いでいるようだ。亀裂そのものは確認できない。ただし、台車枠は確かに曲がっている。
68612
誰だって疑問に思うのは亀裂自体の写真が公開されないこと。鉄道会社でも、国交省主管調査官も撮影しているだろうに……。見たら卒倒してしまうような状況なんだろうか。
[837] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(6) Name:ワークスK Date:2017/12/19(火) 19:45
JR西日本提供の写真だという。産経新聞
亀裂を発生させる応力は一般的に、亀裂に直角に加わっている。ここにこんな亀裂が入るのは全く不思議。スパッと切れているから、疲労であることは確か。ここの曲げモーメントはそれほど大きくない。だから、ここに亀裂が発生することを想定しないのはよく理解できる。
「……亀裂の長さが底面で16センチ、側面で14センチ」ということは、側梁に曲げモーメントを与えた荷重は、下向きではなくて、斜め下向き? いったいどういう力なんだろう? 全く想像できない。
考えられることは製造時、組立を間違えたか、大きな溶接欠陥を内在させていたか。ビーチマークの起点を突き止めるのが決め手だな。
対処については「岡山駅から乗車したJR西の車両保守担当の社員が『列車を止めて調べた方がいい』との認識を車掌らに伝えていた」という。それなのに、どうして止めなかったのか。WN継手は惰行時に音が高くなる傾向にあるので、係員がこの種類の異音には詳しかった=正しい判断ができたと十分に考えられる。
こんなすごい写真を公表するとは、JR西日本は見上げたもの。これを見て「深刻だった」と認識できる人はどれほどいるだろうか。ホトボリが冷めた頃に……という思惑はあったはず。
【追記】時事通信社では、「台車枠は鋼材製で、断面が幅16センチ、高さ17センチのほぼ正方形。鋼材は厚さ8ミリで中空」となっている。軸バネ座の付け根の構造はどうなのだろう。
[862] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(7) Name:ワークスK Date:2018/02/27(火) 23:10
毎日新聞2018年2月27日 21時52分によれば……71299
台車枠は、……コの字形に鋼材を曲げるのが不十分だったため、下部の溶接部分が平面にならず、別の部品を適切に溶接できなくなった。このため削って対応したという
要は、削ったために板厚が薄くなっていたということ。これは破断面を見れば明白か。
で、同じ処理をした台車枠を探さなければならないのだけれど、一体どうやるんだろう? 超音波で板厚を測るといっても……。
原因は、製造の不手際というよりも、それを想定できなかった軸バネ座設計の不備だよな。
【追記1】川崎重工の記者会見は、毎日新聞2018年2月28日 21時31分。
そうだよな、板厚が半分になっただけで割れるような安全率であるはずがない。他にも不具合が重なったんだ。2018-02-28
[863] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(8) Name:ワークスK Date:2018/03/10(土) 18:10
入手した内部資料を毎日新聞が3月10日に伝えるところによれば、直前の西行きとなる小田原と豊橋で、継手の温度上昇を感知していたとのこと。高速走行の装置を個々に検知できるとは恐れ入る。アメリカでいったら、デフェクト・ディテクターdefect detector。残された問題は情報の判断と伝達。
【追記1】永瀬和彦氏のHPに「新幹線台車に亀裂が発生した背景を語る−今後の課題を含めて−」という一文を見つけた。ちょいとステレオタイプに過ぎないかな。2018-05-31
[894] 【ニュース】東海道新幹線の台車で油漏れ(9) Name:ワークスK Date:2018/06/28(木) 12:48
運輸安全委員会報告(pdfファイル2.1M)が公表された。中身は懇切丁寧で、素人にも分かり易く納得できるものとなっている。驚くことが2点。75592
1つは、側ばりと軸ばね座がスロット溶接で結合されていたこと。軸ばね座の外周は角肉溶接されていない。スロット溶接は位置決め程度で、強度的な部材とはなっていないから、全くの想定外だ。
もう1つは、空気バネのデジタル記録。1両4個の空気バネの内圧を個々にデジタル化して加速と制動の制御に使うというのは、「おおっ、技術はここまで来ているのか」と感慨を覚える。ただ2週間分を詳細に残しているのは、どういう目的なんだろう。
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