2020年08月02日

第7次掲示板[383]-2 マレー蒸機のインターセプティングバルブ

383 2020/08/02 10:22:41 ワークスK
マレー蒸機のインターセプティングバルブ

395 2020/08/13 16:47:17 宮崎繁幹
Re: マレー蒸機のインターセプティングバルブ

383 2020/08/02 10:22:41 ワークスK
マレー蒸機のインターセプティングバルブ

古い"とれいん"誌をめくっていたら、「イラスト・ストーリー:日本のマレー」西村慶明という記事に、このバルブのことが書いてあった。1978年9月号。「‥‥発進のときには、面白いシカケがあった。ドラフトの数ビートだけ、前の低圧シリンダーにも14kg/cm2が送られるようになっており、加速がつくとすぐ、高圧シリンダーブロックの中にある遮断弁=インターセプティング・バルブが自動的に閉じ、本来の複式マレーにもどるようになっていた‥‥」とある。知りたかったことは、この切り替えるタイミングだった。これは参考文献として挙げられている川上幸義著「新日本鉄道史」1967年刊に書かれていることだろうか。


395 2020/08/13 16:47:17 宮崎繁幹
Re: マレー蒸機のインターセプティングバルブ

> これは参考文献として挙げられている川上幸義著「新日本鉄道史」1967年刊に書かれていることだろうか。

川上氏の「新日本鉄道史」(上、p.114)には、次のように記されています:「・・・マレー式機関車は出発に際しては逆転機を全位(フル)とし全気筒に高圧蒸気を送り、10mくらい進んで半位(ミッド)にすると、遮断弁が作用して始めて複式として動作するのであった。遮断弁は自動式、手動式の2種があって、上記のマレー式機関車の遮断弁は逆転機に連動するようになっていた」とあります。

これから判断すると、低圧シリンダーへの高圧蒸気給気を、勝手に機械が切り替えるのではなく、機関士が逆転機を操作し、締切りを加減すると、それに連動して遮断弁が働くと云う意味で、「自動」と言っているようですね。 川上氏ご自身も、マレーの活躍時期は過ぎたあとに記述された訳で、何かを参考にされたと思います。小生がざっと見たところでは、日本のマレーは明治末に導入されるも、活動期間が短く、蒸気機関車工学の本でも、初期のものにしか記載はないようです。また、複式機関車はマレー以外の種類もあり、インターセプティング・バルブ(=遮断弁)は、複式機関車共通の課題であったことが判ります。我国の機関車工学書としては、最も旧い部類の「機関車工学」(森・松野、大倉書店)が詳しいようです。


[398] Re: マレー蒸機のインターセプティングバルブ ワークスK 20/08/14(金) 02:50:13

宮崎繁幹さん、御紹介ありがとうございます。川上幸義氏が「面白いシカケ」などという認識ではなかったことに安堵しました。それにしても御蔵書の山の深さには恐れ入りました。で、1910年刊森彦三、松野千勝著「機関車工学」は、自慢じゃあないですけれど、当方、上巻と中巻を持っとります! この弁の仕組みもいくつか紹介されています。ただ、句読点が皆無で見知らぬ漢字が連なる文章に当方の学力がついていきません。アメリカ型鉄道模型大辞典は少し書き換えておきました。
 なお、我が国にマレーは馴染まなかったというような書き方は、短慮だと思います。一国の最重要幹線を担う車両には常に時代の最先端技術が要求されるわけで、近年の新幹線に思いを馳せれば目まぐるしく置き換わりつつある事実に納得されるはずです。十年一昔とはよく言ったものです。大正期に台頭した新技術はスーパーヒーターですね。これが複式機関を駆逐してしまった理由を知りたいと一時期、遮二無二調べていて、クダンの古書を求めたのです。蒸気表には学校で真面目に取り組んでおくべきでした。
posted by ワークスK at 01:34| Comment(0) | 第7次掲示板ログ 2019年− | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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