坂本衛さんのザコネ481
模型大学NEWSの2019年9月20日号に坂本衛さんが車掌時代の思い出を書かれていた。昼間特急の白鳥は大阪・青森間を○時間も座りっぱなしだから、乗客の疲労は並大抵ではない。そこで、雷鳥で余った食堂車を改造して上下2段の桟敷風簡易寝台車とし、白鳥に連結したらどうかと提案した。その名もサハネならぬザコネ(=雑魚寝)481。そして報奨金として300円をもらったという。それから何十年か後、なんとそのアイデアがサンライズ瀬戸・出雲に登場した。で、時節柄「パクリやがって!」という京都アニメーション事件につながる。6752
当方が現役時代に苦労した一つがこの「改善提案」という制度。車両を企画したり提案を集計審査する部署にいた頃、現場から「特急電車を流線型にしたらどうか」とか、「京都三条駅の跡地に予定のビルの屋上をヘリポートとして関空と直結したら」などというアイデアが提出された。経営者は「おおっ! 良いではないか。検討せよ」とばかりに担当部署に命じるが、実現には収支計算とか法律、実務面での困難が幾重にも立ちふさがって、ちょっと思いめぐらせただけでも気が滅入ってしまう。イチイチ説明するには途轍もない労力=コストが要る。ほんと、いい迷惑。もちろん、経営者としては、1つでも価値のあるアイデアがみつかればメッケモノ。社員のガス抜きにもなると考えるのだろうが、そんな夢は夢のまた夢。経営者自身の職務怠慢。一方、提出した人間は実現してもらえないものだから、不満ばかりをためる。
そこで当方は、アイデアや改善提案を募集するのではなくて、自分たちの業務を改善した経験を報告させたらどうか‥‥と口を酸っぱくして主張したが、誰一人として聞いてくれなかった。部下も同僚も、ましてや上司もダメだった。当方の提案能力は棚に上げて、貧しい会社だ。貧相な経営者だ、と、不満ばかりが残った(笑) 京アニの報道で連想したのはこのこと。社長の力量。
【追記1】坂本さんは過去にもこのエピソードを公表したことがあるようだ(2ちゃんねる勢い速報まとめ274)。「ノビノビ座席」とか、「ゴロンとシート」というネーミングらしい(Hatena Keyword)。
【追記2】30年前に綴った一文をブログにアップしてみた。2019-09-16
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